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米農務省は2006年5月初め、毎月恒例の「世界農産物生産高予想」(需給報告)を発表。
この中で06〜07穀物年度(06年9月〜07年8月)のトウモロコシの米国内在庫率(消費量に対する在庫量の割合)が10を割ると予想した。
前年度の在庫率の約半分の水準だ。
米農務省がこうした予想を立てた背景には、原油高による肥料価格の上昇がある。
トウモロコシは大豆などに比べると尿素などの化学肥料の使用比率が高い。
石油製品でもある化学肥料は値上がり傾向を強めており、農家がコスト高を嫌う結果、トウモロコシの作づけが減るのではないかとみた。
ガソリンの代替品で、トウモロコシから生産するエタノールの需要が高まっていることも在庫率の低下予想に結びついた。
95〜96穀物年度以降をみると、在庫率が逼迫の目安とされる10を割ったのは95〜96年度、04年度の2回だけ。
米農務省が06年5月から7月まで発表した米国内在庫率も10を割ったままで推移した。
原油高による生産コストの上昇は、シカゴのトウモロコシ期近価格を恒常的に一ブッシェル(約25キログラム)3ドル台へと高止まりさせる可能性を予感させる。
大豆油を活用するバイオディーゼルも注目されており、原油高が穀物価格を押し上げることも考えられる。
中国がトウモロコシ輸出を停止し続ける可能性があることも、国際需給に影響を与えそうだ。
中国は年間生産量が一億トンを超え、米国に次いで世界2位の生産国だが、内需の拡大から06年3月に輸出をほぼ停止した。
清涼飲料水やビールの消費が増えたことから、トウモロコシを原料とする異性化糖やコーンスターチの需要が高まったことが背景にある。
これに加えて米国と同様、中国でもエタノールのガソリン代替需要が広がった。
欧米から最新のインフラを導入している中国では工場の新設も相次いでおり、「日本より速いピッチでエタノールの普及が進むかもしれない」(穀物商社)との指摘もある。
中国は東北部がトウモロコシ生産地であるのに対し、米国では穀物の作柄と生産高にズレが出るケースが出ている。
例えば05年は米中西部の乾燥・高温傾向が強く、「干ばつ」の年だとの指摘が多かった。
とりわけ最大産地のイリノイ州での悪化傾向が顕著で、この年の7月10日の米農務省発表では、作柄が「悪い」「非常に悪い」とする農地の割合が52%に達した。
しかし、ふたを開けてみれば同年秋の収穫は史上最高だった前年の生産高に次ぐ豊作だった。
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